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南紀Key紀行

 
 ↓結論から言うと、このポスターを貰いにわざわざ南紀まで行ってきました。↓
滝尻王子風子ポスター
 
 こういうのが嫌いだという方は、申し訳ないですがどうか此処でお帰り下さい。
 
 
 さて。
 今回の小旅行。そもそもの事の起こりは、今年の3月頃、KEY Official Homapageにて、和歌山県熊野古道の観光ポスターを作成しました、という告知があったことである。
 某葉鍵板の住人が調べた結果、それは和歌山県西牟婁振興局が製作した、正規の観光ポスターであるらしい、ということが判明した。ついでにCLANNADのキャラ画像を使った観光案内ページも作られたようだが、それは現在非公開扱いになっている(6/12時点)。
 4月頃に、このポスターを配布するという告知が西牟婁振興局からなされた。その時点では5月中の実施が予定されていたが、延期されて結局昨日(6/11)になった、というものである(この辺りの経緯は、BLOGの方にも書いてあるので、興味があったら参照されたし)。
 
 
 そして、6/11になった。
 配布会の整理券が届いた時点で、私はこのような行動計画(リンク)を立てていた。実際にはこれと若干違った行動になったが、概ねこれに沿ったものと考えていただいてかまわない。
 
 以下、実際の行動に沿って、記録を綴っていこうと思う。

前日

 仕事が終わった後、栄の東急ハンズに寄ってポスターを入れる筒を購入。雨が降るという事でプラスチック製にするかどうか迷ったが、今回の旅行以後、おそらく使うことはないと考え、紙製の安いやつにする。

高蔵寺駅 5:41発

名古屋駅 6:22発

新大阪駅 7:27着

 名古屋駅始発の新幹線こだまに乗車。新大阪での乗り換え時間が8分という事で、停車前にデッキに移動する。と、なにやら独特の雰囲気を放つ男が二人、既にそこにいる。荷物を見ると、そこには自分が今持っているのと似たような「ポスターを入れる筒」が。
 もしや・・・? という疑念を抱きつつしかし無言で、列車が止まるのを待つ。
 こだま593号が新大阪に着く。扉が開くと同時に目の前の二人は走り出した。あなた方のどこにそんな体力があるのかと思うくらいのスピードで。向かう先は、ホーム名古屋寄りの、在来線乗り換え口に近い階段。自分と同じ方向だ。やはり同族か? と、疑念はさらに膨らむ。乗り換え改札を出るとすぐに11番ホーム、紀勢線方面電車の出るホームへの階段が見える。そしてちょうど、先程の二人がその階段を下りていくところだった。
 疑念は確信に変わった。間違いない。この二人は自分と志を等しくする者達だ、と。
 

新大阪駅 7:35発

 スーパーくろしお1号に乗車。先程の二人は別の車両らしく、見あたらない。指定席に座って「カントリートレイン」を聞きながら「スーパーくろしおって超くろしおって事だよな」などと意味の無いことを考える。
 5時前に起きたので、眠い。鳳を出た当たりで気絶。
 

白浜駅 10:06着

 正直、危うく寝過ごすところだった。
 白浜は一年ぶりである。前回は出張で夜中に来て徹夜作業という観光とは無縁の来訪だったが。帰り道で「ナギサビール」という看板を見かけて、デジカメを持ってこなかったことを酷く悔やんだものだ。あの時は、まさか一年後にこんな事態になるとは思いも寄らなかった。
 
 周りは、普通の観光客っぽい人ばかり。先程の二人も見あたらない。同族がいたらタクシー同乗しようと思っていたのだが、それらしき人が見あたらない。少し遅かったかもしれない。
 仕方がないので一人でタクシーに乗る。「和歌山県情報交流センター」と告げても、わからない様子。「ビッグUとも言うみたいですけど」といったら、理解してくれた。途中、「今日何かあるんですか?」と問われて、「え、ええ。まあ。」と口を濁してしまう。自分の前にも何人か、同族を運んでいたのかもしれない。
 

和歌山県情報交流センター・ビッグU 10:20頃着

 タクシーを降りたら凄い雨だった。白浜駅に着いた時点で既に降ってはいたが、さらに酷くなっていた。直後、もう一台タクシーが到着。降りてきたのは、新大阪で見かけた二人のうちの一人だった。あららっ、あなたは一体どこにいたの?
 
 「ビッグU」はえらく立派な建物だった。写真を取り損ねてしまったので、外部リンクで申し訳ないがぶらくり雑記帳さんとこの写真をご覧頂きたい。いわゆる「ITで地域振興」とか、そういう目的で作られたハコモノの一種、ということらしい。とはいえ図書館が併設されていたり、利用者は結構いたようだ。
 展示コーナーにPC−8001が置いてあって、非常に懐かしかった。父親の持ち物だったけど、自分が一番最初に触ったパソコンだからね。なんでも、展示会に置いてあったやつを「展示品なんだから安く譲れ」とか言って強引に持ち帰った物だったらしい。さすが血は争えない。
 
 そんなことはどうでもいい。ポスターの話だ。配布会場は、入り口から半円状の建物を周って一番奥にある部屋。ガラス張りの部屋に、廊下側から見えるように風子、というか滝尻王子のポスターがずらりと貼ってあり、思わず「うわあ」と声をあげてしまう。この光景の写真は撮ったのだが、ピンぼけになってしまった。
 会場内には、10人ほどの参加者に、西牟婁振興局の方達がやはり10名弱。せいぜい1,2名の職員が機械的にポスターを配るだけ、と思っていただけに、なんか思ってたより大がかりな動員だ。参加者は、自分みたいにいかにもいかにもというのもいれば、麻枝准と滝沢秀明を合わせたようなイケメンもいて、さらに何故か子連れの人までいた。うーん、これでは却って、整理券を名雪のクリアフォルダに入れて持ってきた自分が浮いてしまうではないか。
 
 アンケートを記入して、ポスターと交換。2枚もくれた。やっぱり、当初の見込みよりも参加者が少なかったんだろうか。応募締め切りが延長されたくらいだし。
 観光案内もついでにくれたので、暫しそれを眺めて過ごす。当初の予定にはなかったが、ポスターの背景になっている滝尻王子に行ってみようかという気分になってきた。
 とりあえず建物を出る。
 
 正直、会場からの帰りのことは全然考えていなかった。一応バスが出ていたのでなんとかなったが、もし無かったら雨の中自分はどうするつもりだったのだろうと、少し怖くなる。但しバスは、紀伊田辺駅行きだった。なる程、他の人達ももしかしてみんな、紀伊田辺駅から来ていたのか? だから白浜駅にはそれっぽい人がいなかったのか。
 

和歌山県情報交流センター 11:20頃発

 バスでは、新大阪で見た人と、会場にいた滝沢准な人と一緒に乗り合わせになった。ビッグUを出て一つ先の停留所で二人待っている人がいたが、バスは通過してしまう。しかし運転手も気づいていたらしく、100mぐらい走ってから停車し、バックして停留所まで戻っていった。乗ってきたのは、我々の同族とおぼしき二人。どういう都合か、こっちの停留所で待っていたようだ。しかしこんなイベントでもなければまず利用者などいるはずもない停留所だったので、バスは通過しそうになったということだろうか。
 車内で二人の会話を聞く。どうやらうち一人は、千葉から夜行バスでやってきたらしい。そしてもう一人は、コミコミ(コミックコミュニケーション)で入手したという「樋上いたる新刊」を持参してきていた。
 こいつらレベル高ー。
 駅までの道すがら、でっかく「鍵」と書かれた看板があり、思わず反応してしまう。無論ただの鍵屋さんなのだが。

龍神バス車内から

紀伊 田辺駅 12時頃着

 紀伊田辺駅に着き、昼食を取ろうと思った。その前にバスの時間を確認しておこうかと乗り場に向かったら、龍神バスの運転手が車外にいて「どちらまで?」と訊かれる。滝尻王子、と答えると、「このバスですから、乗ってください。20分発です」と、乗車させられてしまう。あの、自分、メシまだなんですけど・・・・。
 まあ、滝尻王子近辺にも食事できる所ぐらいあるだろうと、腹をくくってそのまま乗車。

紀伊田辺駅 12:20発


滝尻王子入り口

滝尻バス停(滝尻王子) 13:15頃着

 西牟婁振興局に貰った観光パンフ「和歌山街道マップ 熊野古道」によると、「熊野九十九王子は、京都から熊野三山に至るまでの途次、難行苦行の信仰の道を繋ぐために設けられた神社」であり、滝尻王子はその熊野九十九王子のうちの一つで「平安貴族の藤原宗忠が、『初めて(熊野権現の)御山の内に入る』と記した」場所なのだそうだ。




滝尻王子
 配布されたポスターの背景となった場所が、ここである。とはいえ、なんだか微妙に構図が違うような・・・ああ、木が一本無いのか。
 
 雰囲気からして同族らしき人が、此処にも二人。ただ、件の配布会に参加したなら当然持っているべき「ポスター」かその入れ物を持っていない。外見が同じなだけで赤の他人なのか? こんな豪雨の中、理由もなくわざわざ此処にやってくるというのは普通はあり得ない気もするが。結局それは未確認のまま終わった。
 
 ご飯を食べられるような所は、どうもない。茶屋はあったが、普通の飯があるかどうか微妙だったし、なにやらじいさん達が寄り集まっていて入りづらかったので、やめた。が、何にしろ一万円札を両替する必要はあったので、隣の土産物屋で「梅クランチ熊野古道物語」と「じゃばらジャム」を購入。
 「じゃばら」というのは、和歌山県東牟婁郡北山村特産の果実で、「邪気をはらう」というのが名前の由来らしい。花粉症に効果があるらしい。とりあえず、秋子さんの謎ジャムみたいな危険なシロモノではないようだ。ちなみに梅クランチの方はさっき食べてみたが、梅の味が全然しなかった。
 
 することもなくなったので、バス停で待機。そこで、交通事故発生の瞬間を目撃してしまう。
 滝尻王子側から、国道に入ろうとする車があった。本宮側に右折したかったようなのだが、何故か田辺側の車線を横切る途中で停車してしまう。「おいおい早く曲がるか引っ込むかしないと危ねーぞ」と思っていたら、トンネルの中から対向車が現れて、ドカン。
 死傷者はいなかったし、車も外見はボコボコになりつつも走れる状態だったので、まあそれはよかったと言えば良かったのだが。もし後続の車があって追突していたら、大惨事になっていたかもしれないわけで。正直悪寒が走った。旅先でこんな事故には巻き込まれたくねーよ・・・・。
 とりあえずその事故は自己解決しそうだったので、やってきたバスに乗ってしまう。

滝尻バス停 12:46発

紀伊田辺駅 13:30頃着

 滝尻王子でメシが食えなかったので、紀伊田辺駅近辺で食べようと思った。が、電車の時刻が13:32。すぐに乗れば間に合う時間。しかしその次は、14:28と、一時間待ちになってしまう。滝尻王子まで行ったことで当初予定より1時間の遅れが出ている。これくらいの遅れなら大したことはないが、2時間3時間遅れるとなると、帰りがやばくなってしまう。
 メシは御坊についてから食おう。そう決めて、御坊行きのワンマンカーに乗り込んだ。

紀伊田辺駅 13:32発

日ノ岬パーク行き御坊南海バス


御坊駅 14:21着

 TV版AIRの背景舞台となったといわれる、和歌山県美浜町。折角和歌山まで来たので、そこも行ってみようと思った。 美浜町方面は、御坊駅から日ノ御碕行きの御坊南海バスに乗ることになる。15:55発。30分というちょうど良い空き時間があるので、駅前の食堂で遅い昼食にした。頼んだのはラーメンセット。国崎はバスを降りて観鈴と出会ってからラーメンセットにありついているが、自分にはそんなアテは100%無いので、此処で食ってしまう。
 食い終わってくつろいでいる頃にバスがやってきたので、乗車。

御坊駅 14:55発

 バスは20人乗り程度の小さめのバスであったが、しかしそれでも狭すぎるんじゃないかというくらいの路地裏を走っていく。うちの近所にも狭い道を走っていく路線はあるが、ここほどではない。正直、怖い。御坊市の道が狭いというより、敢えて狭い道を路線に選んでいるようだ。
 美浜町に入ったところで、道幅は広くなった。AIRっぽさはまだ感じられない。煙樹ヶ浜のカラス

御崎神社前バス停(煙樹ヶ浜) 15:10頃着

 近畿最大の砂浜にして、AIRのラストシーンの舞台とされる煙樹ヶ浜に到着。雨は既にやんでいた。が、霧が凄くて、景色がよく見えない。写真も撮ったが、なんじゃこりゃというものしか撮れなかった。
 海岸でカラスを発見。近寄ったら、飛びやがった。飛べないカラスにしか用はないと言い捨て、その場を去る。

 
 御崎神社は、階段もなにも登ることなくつけてしまう場所にあった。この神社がAIRの神社のモデルということは無さそうだ。
 

御崎神社前バス停 15:50頃発
美浜町三置地区堤防1

アメリカ村バス停 16時頃着

 煙樹ヶ浜沿いの堤防は非常に狭くて、寝転がれるような場所はない。また、付近に漁村もない。そこで、もっと先の、漁港のある三置(みお)地区へと移動した。「アメリカ村」という名前は、明治期にこの地区からたくさんのカナダ移民が出たことに由来するらしい。・・・ん?




 ここは、高くて広い堤防が伸びていて、そのすぐ後背に集落が広がっている。よりAIRの舞台に近い。美浜町三置地区堤防2





















川

 国崎が落ちたり観鈴が遊んだ場所といわれる川も発見。
 ・・・が、なんか川汚いぞ。雨降った後だからか?

















龍王神社坂道
 原作AIRの背景を印刷した紙を持っていって風景と比較していたのだが、これ以上似ているところは見あたらない。というか、そもそも美浜町は「TV版AIRの参考」になったところであり、原作もそうだとは限らないというか、原作の方は涼元悠一がコンプティークのインタビューで「舞台は瀬戸内海沿い」と明言しているのだから、明らかに此処ではないはずなのだ。



 しかしそれでも、来たからには何かが欲しい。このままではAIR分が足りない。そこで、もう少し何か無いか探してみる。

 地図によると漁港の脇に神社があるようなので、そこも見に行ってみることにする。
 バス停一つ分、御緒というバス停の脇にある小道から、集落の中に入っていく。
 集落の人が、物珍しそうな目で自分を見ている。そりゃそうだろう、ただでさえ滅多に外の人間なんか来ないのに、なんか妙な筒持ったむさい男が歩き回っているんだから。


 少し迷った結果、ようやく鳥居を発見。

 木々に囲まれた坂道を登っていくと、社があった。
 ちょっとAIRっぽい。



龍王神社門
 龍王神社というらしい。天然記念物のアコウという木があった


 
 満足したので、山を降りる。バス停まで戻ると、御坊駅に戻るバスは1時間以上後。だったら、先にやってくる日ノ御碕行きのバスに乗って、どうせそのバスが折り返すだろうからそれに乗って帰ろうと思い立つ。
 

御緒バス停 17:45発










日ノ御碕のカラオケボックス 日ノ岬パーク 17:50頃着

 マイクロバスみたいな小さなバスだった。とりあえず終点の日ノ御碕パークまで乗る。降りるときに、運転手にバスが出る時刻を確認。
 日ノ御碕は、山の頂上に国民宿舎と記念碑、カラオケボックスしかないようなところだった。
 ていうか、こんなところにカラオケボックス・・・?


 発車五分前にバスに戻ったら、運転手に「もうよろしいですか?」とか声を掛けられる。声は置鮎龍太郎ではないが、気さくな運転手だ。こんなところでAIRっぽさに会うとは思わなかった。
 

日ノ岬パーク 18:05発

 バスの最終便。自分以外乗る人がいない。終点まで行くことを告げてあるので、車内放送もかからない。途中バス停のベンチで座っている女性がいたが、何故か乗らなかった。運転手は「乗らないのかい?」とはさすがに言わなかった。
 

御坊駅 18:20頃着、19:06発

新大阪駅 20:50着、20:56発

名古屋駅 21:52着

 当初予定では紀州鉄道に乗ってみる予定だったが、時間が無くなってしまったので中止。これ以降は、特に書くようなことはない。普通に特急に乗って新幹線に乗って帰った。強いて言えば、名古屋駅構内に貼ってある「熊野古道フリーきっぷ」のポスターを見て、「ああこれ使って行けば良かった」とか、「この隣に風子のポスターを貼ったら・・・」とか考えていたぐらいである。
 
 


 以上が、今回の小旅行の顛末である。

 
 
 今回の旅行の総経費、2万7410円。
 うち和歌山県内で使った額、6730円。
 うち西牟婁振興局管内で使った額、4590円。
 
 ポスター作って配るだけの経済効果があったと言える額・・・かなあ?


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