眉毛ボンで鼻血ブー


 先月で放送修了になってしまったが、「こどものおもちゃ」というアニメがあった。深刻で重いストーリーをばかばかしい展開で勧めていくという、よく考えたら奇妙な内容だったが、かなり気に入っていた。で、その子供の玩具に、「石田君」なる人物が出ていた。眉毛ボンで鼻血ブーなのである。でまあ、それとは全然関係ないのだが、自分の眉毛が抜けてしまった。いや、全部抜けたわけではない。一本だけ抜けてしまったのだ。
 眉毛一本ぐらいどうということはないとお考えだろうが、実際そうでもなかったりする。普通の眉毛と違って、長さ3Cmくらいある奴だったのだ。自分は鏡を所有していないので、実際自分の目で見たわけではない。よって、正確な長さや形状はわからない。多分それくらいあっただろうと思われる。証言によれば、白かったらしい。
 初めて存在を知ったのは、去年の夏であった。東北地方に住む某Sさんが見つけたのだ。何でまた東北の人がそんなものを見つけたりするのか、とお思いになるだろうが、まあいろいろあるのだ。そのときは、すぐにわかるようなものではなかった。手探りで探し回って、「ああ、あるね」という程度のものだった。それが、秋になり冬になるにつれて、だんだん鬱陶しく感じるまでになった。いっそ引っこ抜いてやろうかとも思ったが、発見者Sさんから「大切にしろ」と言われていて、無断で抜いたりしたら電話回線経由で化けて出る可能性があったので、そのままにしていた。一部脚色
 そして昨日。ふと気づいたら、無かった。なんという事か。自分に無断で勝手に抜け落ちるなんて。どうせ抜けるなら、自分も見ておきたかったのに
 てな訳で、少し寂しい。まあ、どうでもいいといえばどうでもいいのだけど。また生えるかもしれないし。生えなくても支障無いけど。特にまたはえてきて欲しいわけでもないし。大体、眉毛一本くらいでこうも大騒ぎすることはないじゃないか。小学校の頃なんか、眉毛全部剃っちゃったこともあるんだから。
 ということで、このことはさっさと忘れることに決定して、私はこの文書を保存する。

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