センチメンタル老人
今回はまず、謝罪から。先日自分は野中官房長官をくそじじいとか人格を疑うとか書きましたが、あれは言い過ぎでした。いやさ、多分あの人謝らないと思ったのに謝っちゃったからさ。こっちが言いっぱなしのままだと、一方的にこっちが悪いことになっちゃうし。でもまあこれで心残り無し。さあ、今日も言いたい放題言うぞ。
今日は八月十五日。終戦記念日。この日って日本政府が連合国側に降伏を通告して天皇がラジオ放送で国民に知らせた、って日であり、降伏文書に調印した日ではない。だから本来は「停戦記念日」と言うべきはずなのだが、どうも日本人の精神文化から言って、どうしてもこの日を終戦記念日といいたい事情があるらしい。
八月十五日というのは旧盆である。いわゆる、「死者を弔う日」である。一般の人は故郷の先祖代々の墓に赴いて死者を弔うことになっている。だからこの時期になると企業は一斉に休業し、民族の大移動が展開されるわけだ。まあ、民族伝来の「宗教」な訳だし、この事に関しては私は何も言うまい。
しかし、この民族行事にかこつけて意味のわからん墓参りをする人たちがいる。いや、墓参りじゃない、神社参りだ。言わずとしれた、靖国参拝という奴である。目的は「英霊の供養」。英霊？英霊って何よ。何がどう英霊なわけ？
彼らの言い分によれば、「今の日本の繁栄があるのは戦争で散った英霊の犠牲があるから、その魂は大切にしなければ」。？？？どういう意味じゃ。まるで今の日本の繁栄が、兵隊達の屍の上に築かれているような言い方じゃないか。あの戦争でもし日本が勝って大東亜共栄圏の構築に成功していた、って言うならこういう論理も頷けるけどさ。そうじゃないでしょ？負けちゃったでしょ？ぼろくそに負けて、本来なら産業基盤の崩壊とアジアの人たちの怨念によって二度と立ち直れないはずだったのが、東西冷戦に伴う自由主義陣営の戦略と、日本の「歴史や伝統」に弱いいわゆる「日本マニア」の支援活動によって立ち直ったわけでしょ。アメリカのおかげだよ、はっきり言っちゃえば。そう、日本をメタくそに叩いて原爆二個も落として、「英霊」を「英霊」たらしめたそのアメリカだよ。死んだ兵隊のおかげじゃない、少なくとも。
てな事を書くと、「死者に対して失礼」とか、「まるで彼らが犬死にしたような言い方」とか、訳のわからん事を言い出す人がいる。いわゆる「遺族」と呼ばれる連中だ。
まず死者に失礼とか言う意見だが、自分はそういう考えは全くない。人は死んだら肉の塊になる。魂がどうなるかは知ったことではない。存在しないか、人智の及ばないところに行くかのどちらかだからだ。だから、失礼もへったくれも無い。我々には関係のない存在になるのだから。だから、「死者に失礼」などという言葉は、そもそも意味を為さない。
次に、犬死に忌避説。そう、彼らは単に「犬死に」という言葉を忌避しているだけだ。歴史的事実をしっかり見据えて考えれば、彼らの死が犬死にだったことは明白である。だって、彼らが信じて戦っていた八紘一宇思想は、間違っている上に実現でき無かったんだから。辞書を引いてみよう、「いぬじに[犬死に]−死んだことが、役に立たないような死に方。」（三省堂国語辞典第四版）。彼らが死んだことが、何か役に立ちましたか？大東亜共栄圏、駄目でした。天皇国体の護持、駄目でした。現在の日本の繁栄、前述の通り関係ありません。アジア諸国の独立、論外。
何で論外かって？だって、侵略したんだよ、アジアに。「日本の侵攻が欧米列強勢力を撃退し、アジア独立運動の地ならしをした」なんて論調もあるけど、大嘘です。侵略先で日本軍がやった事というと、独立運動勢力の中で民族派とは取引をして自勢力に取り込み、共産党勢力は徹底的に弾圧するという、一種の独立運動分断策。いや、独立運動中の共産党勢力の役割を侮っちゃいけませんよ、だって中国ベトナムラオスは現在に至るまで共産党が支配してるわけだし、インドネシア，シンガポール，カンボジアだって、独立そのものに関わったのは共産党系です。
まあ、こんなところで共産党の宣伝しても仕方ないんだけど。そもそも日共とは関係ないし。そういえば、「靖国神社にみんなで参拝しよう会」って、民主党の議員も含まれてるんだよね。含まれてるどころか、幹事長が副代表だよ。情けないねえ、いろんな意味で。だってさ、目的も目的だし、やることもかっこわるいじゃない。みんなでぞろぞろとさ。「赤信号みんなでわたれば怖くない」ってか？やることが中学生並だよ。一人じゃ何にも出来ない連中が、路地裏にたまって数の力で暴力行為を繰り返す、そんな光景を想像するんだよね。悪いことやってるっていう心の傷を仲間内で舐めあってさ。いい年して、恥ずかしくない？
これって何も国会議員に限った話じゃない。戦争当時の武勲を誇らしげに話す一部のバカじじいにも言えることだ。そりゃあさ、青春は二度と帰ってこないよ。あんなとんでもない時代に青春時代を過ごしたあなた達に同情はするよ。でも、それにいつまでもしがみついているのって、いいこと？僕はそうは思わないね、成長というものがないもの。こんな成長のない人間が動かしてきた日本が、よく高度経済成長なんて成し遂げたものだ。まさに奇跡の復興だよ。
「遺族」もそうだよ。いつまで死んだ人にこだわってる気？たまには思い出に浸るのもいいけどさ、５０年だよ、５０年。昔の人の寿命だぜ。いつまでもこだわってるってのははっきり言って病的だよ。
そりゃあ、もうすぐ死にゆく身なんだから、せめて美しい思い出に浸りたいって気持ちはあるかもしれない。でも、あんた達影響力が大きすぎるんだよ。何しろ支配者なんだから。若者にまで変な影響及んでるんだよ。影響が及ぶどころか、教科書に書かれた事実を改竄しようなどと言うおおたわけまでいるし。何が自虐的歴史観だよ。あんたらが勝手に自虐的にしてるんじゃないか。あ、自虐的精神状態にあるんだから、現実が自虐的に見えるのは当たり前か。こりゃ失礼。
あ〜、もうこんな精神病連中が与党政治家やってたりするんだから、日本がおかしくなるのも当たり前だわ。まあ救いといえば、首相や官房長官が参拝しなかったことか。当たり前のことなんだけど。これが、現実を認識できずにわざわざ靖国行った某中曽根みたいなのが首相やってたら、もう目も当てられない惨状になってただろうね。そう、政治家ってのは現実的に行動してもらわなきゃ困ります。たとえ心の中で何考えていようともさ。
まあ、こんなこと、精神のイカレた人間が言っても相手にされないんだろうけどね。あ、もう日付変わっちゃったよ。まあいいけど